会社や店を経営する際、ロゴマークは、看板やパンフレット、ホームページなどの各種広告媒体や名刺などにおいて、会社や店を表すシンボルとして大きな役割を果たします。つまり、ロゴマークは客の会社・店に対する印象をも左右し得る重要な要素であると言えるのです。

この記事では、ゴロマーク作成にかかる費用についてご紹介します。

ロゴマーク作成にかかる費用の算出方法とは?

まず、ロゴマークの作成(デザイン)にかかる費用の算出方法を確認します。あらゆるデザイン料金の算出方法は、日本グラフィックデザイナー協会の「制作料金概念規定」によって定められています。この規定では、「作業量」、「付加価値量」、「支出経費」、「質的指数」、「量的指数」という5つの要素でデザイン費用が決まることになっています。

よって、ロゴマーク制作に関する要望の内容、ロゴマーク制作の依頼先によってデザイン費用は大きく左右されます。

「作業量」とは?

作業量は、ロゴマークの制作に関してどのぐらいの作業が行われたのかということです。この中には、創造力を求められるデザイナーによる実際のデザイン作業が含まれます。また、会社や店のイメージに合う効果的なロゴマークをデザインするためには会社や店の経営状況や経営戦略の調査が必要となるため、その作業が含まれる場合もあります。

そのため、会社や店のイメージに合うロゴマークを求めるほど、作業量が多くなり、ロゴマーク作成にかかる費用も高くなる傾向があります。

「付加価値量」とは?

付加価値量とは、デザインするものがどれほどの役割を担っているかを示すものです。ロゴマークは、パンフレットや看板、名刺などに共通して載せられることが多いため、チラシなどの一定期間しか使われないものに比べて付加価値量が高い傾向にあります。

「支出経費」とは?

支出経費は、会社や店と打ち合わせを行ったり、会社や店の調査を行う際の交通費や、デザインを行うにあたって必要なフォントの使用料やソフトの利用料を指します。

「質的指数」とは?

質的指数とは、ロゴマークのデザインを行うデザイナーが持つ経験やスキル、知名度を表すものです。デザイナーとして活躍し始めてからの年数、これまでの受賞経験などによって左右され、そういったものが多いほど質的指数が高くなる、すなわち、デザイン費用が高くなる傾向にあります。

「量的指数」とは?

量的指数は付加価値に関する指数のうちデザイナーの知名度やスキルなどの「質的指数」を除いたものです。依頼するロゴマークの数量や使用媒体のことです。

ロゴマーク制作の依頼先は?

ここまでに述べてきたように、ロゴマーク制作費用の算出にあたっては様々な要素が関わってきます。中でも、ロゴマーク制作を誰に(またはどの会社に)依頼するか、というのは「作業量」や「質的指数」を左右する大きな要素である上に、依頼者が費用に関して調整を掛けられる数少ない要素です。

ロゴマーク制作の依頼先にはどのようなものがあるのでしょうか。

ロゴマークを依頼する際のポイントとは?

「制作会社」に依頼

ロゴマークを制作する会社にデザインを依頼した場合、費用の相場は平均して5~20万円ほどになります。制作会社では、ロゴマークに関する要望をヒアリングし、会社や店の企業戦略なども把握しつつロゴマークを作成していくケースが多いです。

テンプレートを使用している会社では、会社や店のイメージにぴったりと合ったロゴマークをデザインできる可能性は下がりますが、作業量が減るため、料金が低くなる場合が多いです。この場合、いくつかの会社と相談をしてみると、求めているイメージのテンプレートを使用しているデザイン制作会社を見つけられるかもしれません。

また、会社によっては出来上がったロゴマークの微調整や修正の費用(修正費)をデザイン費用に含めている場合と含めていない場合があるため、契約前に確認が必要です。修正費がデザイン費用に含まれていない場合、修正費の相場はデザイン費用の10%ほどになります。

「ピクトグラム」と「ロゴマーク」は何が違うの?

「フリーランスデザイナー」に依頼

フリーランスデザイナーにロゴマーク制作を依頼する場合の相場は、2~5万円ほどです。要望やイメージを相手方に伝え、それに沿ったデザインを制作してもらうことになります。企業戦略の調査などは行われない場合が多く、ロゴマークを依頼する前に自分で会社や店について分析し、会社や店に合うイメージを明確にまとめておく必要があります。

また、デザイナーとの間に認識の齟齬が生じないよう、密にコミュニケーションをとることも大切です。フリーランスデザイナーの場合、1人または少人数で制作を行うことが多く、沢山の人が専門性をもってロゴマーク制作に関わる制作会社と比べて作業量や支出経費が低くなり、制作費用も低くなる傾向にあります。

ただし、受賞経験などの実績のあるデザイナーの場合は質的指数が高くなり、費用が高くなることがあるため、事前に調査しておくことをお勧めします。

目的を実現するロゴマークの制作の方法

「クラウドソーシング」を利用

クラウドソーシングサービスを利用してロゴマーク制作を依頼する場合の料金相場は、1~5万円ほどです。クラウドソーシングでは、デザイナーや主婦・学生など幅広い職業・年齢の人が仕事を受注しています。

クラウドソーシングを利用するメリットは、デザイナーとして活躍している人に安価でデザインを依頼できる場合があることです。また、デザインを勉強している学生などが低価格でデザインを受注してくれる可能性があります。

ただし、クラウドソーシングを利用する際も、フリーランスデザイナーに依頼する場合と同様に、会社や店の的確な分析と密なコミュニケーションが必要となります。クラウドソーシングではプロジェクト形式の他に、コンペ形式も利用できる場合が多いです。

プロジェクト形式とは、先に依頼の応募をかけてデザイナーを募集し、自分が選定したデザイナーにデザインを行ってもらう形式のことです。コンペ形式とは、まず広くロゴマークデザインを募集して、応募されたデザインの中から採用するものを選んでそのデザインを行ったデザイナーに料金を支払う形式のことです。

コンペ形式の場合は、低予算であっても数種類のデザインから採用するものを決められることが大きなメリットとなります。

ロゴマーク制作の依頼先は慎重に選ぶべき!

ロゴマーク制作にあたっては、1万円を超える費用がかかる場合がほとんどです。しかし、満足のいく効果的なものを制作するためには、依頼先を吟味することが必要不可欠です。

また、ロゴマークの制作を依頼する際は、事前に「どんなロゴマークにしたいのか」ということを明確に意識し、正確に相手方に伝えることが大切です。