ロゴマークの大きさはデザインを作成するよりも前に検討しておくべきポイントです。使用するときの大きさを意識していなかったために作り直しになったり、使用用途が限られてしまったりする問題はしばしば起こっています。
この記事ではロゴマークを使用するときの大きさを重視して作成することの重要性と具体的な方法を紹介します。
ロゴマークは用途によって大きさが違う
ロゴマークの大きさをデザインの検討をする前に考える必要があるのは、ロゴマークをどのような用途で使うかによって大きさがかなり違うからです。ゲームアプリのロゴマークを作成するのであれば、スマートフォンの画面のサイズを考えると小さなロゴマークしか使いません。
商品のロゴマークの場合にも、パッケージに印刷する目的で作成するなら全く同じ大きさのロゴマークしか使用せずに済みます。ただ、どんなロゴマークでも同じ大きさで使うわけではないのは、ブランドのロゴマークを作成する状況を考えるとわかります。
会社のブランドロゴマークとなると、様々な用途があるのでいつも同じ大きさのものを使用するとは限らないでしょう。ホームページ、パンフレット、ノベルティグッズなどでは比較的小さなロゴマークで大きさを統一できるかもしれません。
しかし、展示会に参加するためにポスターを作るとなるとロゴマークを大きく表示したいと考えるのはもっともなことでしょう。自社イベントを実施するときには大々的にロゴマークを見せてブランディングを進めたいと思うのが当然です。
オフィスの受付などにもはっきりと見える大きさでロゴマークを表示しようと考えるかもしれません。このようにロゴマークを使用するシーンが多岐にわたる場合には、ロゴマークの大きさも大小さまざまです。その用途に合わせてロゴマークがはっきりと視認することができるようにデザインすることが重要になります。
1つの大きさで使うなら最適化しよう
ロゴマークを1つの大きさで使うのなら、デザインは最適化するのが大切です。上述のように商品のロゴマークを作成するときには商品そのものやパッケージ、広告などに使用するシーンばかりでしょう。広告の場合には出稿先によって多少の拡大や縮小が必要になる場合もありますが、基本的には同じサイズのロゴマークを使用することが可能です。
この場合には文字の大きさや色合い、解像度などを使用予定の大きさに合わせて決めると最も美しいデザインにできます。大きなサイズのロゴマークしか使わないときにはデザインに細かな作り込みができますが、小さいロゴマークの場合には作り込んだ部分を視認してもらうのが困難です。
シンプルなデザインにした方が印象も良くなり、ロゴのデザインも覚えてもらいやすいでしょう。このように大きさが違うと効果的なデザインの考え方から変わってしまうので注意しなければなりません。
複数の大きさで使うなら用途をリストアップしよう
ロゴマークを複数の大きさで使う予定の場合には、それぞれのサイズで美しく見えるようにロゴマークを作成する必要があります。まずは用途をリストアップして、どのような大きさで使う可能性があるのかを明確にしましょう。
用途ごとに大まかなロゴのサイズを考えていくと、いくつかのグループに分類することが可能です。すると大中小の3つの大きさのロゴマークが必要になるか、大小の2つのサイズがあれば良いか、もっとたくさんのサイズを考えなければならないかがわかります。
多少のサイズの違いであれば拡大縮小をしても大きな問題はありません。ワンポイントサイズとA4サイズといった大きな違いがあるときには別の分類にしましょう。複数の大きさでロゴマークを使う場合には、一つのデザインの拡大縮小で済ませるか、個々に作成するかを考えることが必要です。
細かな作り込みをした大きなロゴマークと、簡易版にして小さくてもイメージが伝わるようにしたロゴマークを用意することはよくあります。多数のロゴマークを作るのは大変だと思われがちですが、シンボルやコンセプトは共通しているのでそれほど手間はかかりません。
2つか3つくらいの大きさなら、それぞれの大きさのロゴマークを作成した方が費用対効果が高いでしょう。
あらゆる大きさで使う可能性があるときの対策
ロゴマークの用途が広く、いくつかのグループに分類して大きさを決めるのが難しい場合もあります。
将来的にどのようにロゴマークを使うかがわからないときには、あらゆる大きさで使う可能性があると考えなければならないでしょう。会社のブランドロゴマークは代表例で、どんな大きさで使用することも想定しておくことが大切です。
このようなときにはロゴマークをどのようにして作成したら良いのでしょうか。どの大きさでも問題なく拡大縮小をするだけで美しく見えるようにデザインするのが最も良い対策方法です。シンプルなロゴマークにすることで大きさにかかわらずにきちんと効果を発揮させられます。
細かな作り込みをすると縮小したときに問題が発生するので、余計な装飾はせずにシンプルにまとめましょう。また、想定できる範囲で大きなサイズに対応可能な解像度でロゴマークを作成するのがコツです。拡大したときに見栄えが悪くなるリスクを下げるためには、小さなロゴマークを大きく引き伸ばさずに済むように高解像度でロゴマークの原版を作っておくのが最も効果的です。
ロゴマークの標準の大きさを決めておくのもコツ
ロゴマークのサイズをどのくらいまで大きくして使用する可能性があるかがイメージできないこともあります。最近では画像加工技術も高くなってきているので、4倍に引き延ばすくらいなら再現性がかなり高くなっています。
技術者が担当して拡大をすればもっと引き延ばすことも可能です。縮小についても同様で、イメージが損なわれないようにかなり小さくできるのが現状です。そのため、ロゴマークの標準の大きさを決めておき、適宜拡大縮小をするという運用をするのも賢い方法でしょう。
デザインが乱れるほど拡大や縮小をする必要が生じたときには、技術者に依頼して拡大縮小をしてもらえば良いのです。
使用するときの大きさを考えてからロゴマークを作成しよう
ロゴマークを作成するときにはデザインをまず考えてしまいがちですが、目的に応じた使い方ができなければ意味がありません。大きさは重要なポイントの一つで、ロゴマークを使用したときに良いデザインに見えることが必要です。
使用するシーンをリストアップして、どの大きさでも見栄えが良くなるようにロゴマークを仕上げましょう。